サラリーマン国税

国家財政の危機が私たちに与える影響とは【前編】

国のお財布事情と私たちのお財布事情の関係について考える

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第5波が~、第6波が~と騒がれていた新型コロナウイルスもお祭りの後のように静かになりましたね。調べてみるといわゆる『感染症専門家』の方々もテレビから姿を消してしまったようです。まるで電波に乗ったウイルス!?みたいな感じがして、笑ってしまいました。

そんな中でも、税金で全国民の7割がワクチンを打ちましたし、3回目接種の話も出ています。また、新たな給付金も出るようです。一方では、中国、北朝鮮からの安全保障上の脅威も大変なことになっていて、防衛費も大幅に増やさないといけないという議論も出ています。大事なことは、これらのお金が基本的に全て私たち一人一人が納める税金だということです。ですから、これらの支払いも回りまわって私たちのところに来るわけで、生涯生活設計にも影響が出てくるのかもしれないですね。

今回からそういうわけで、国のお財布事情と私たちのお財布事情の関係について、少し考えていきたいと思います。

国家財政は破綻の危機?

つい先月、矢野康二財務事務次官が、『このままでは国家財政は破綻する』と文芸春秋に寄稿して、物議を醸しました。財務事務次官と言えば、国の財政を預かるお役所の事務方のトップです。そのトップが、簡単に言うと「日本は破産します!」と語ったわけです。

皆さんはどう思われましたか?・・・何とも思わなかったですか?(私もそうです。)だから大騒ぎにならなかったんですね。お役人が政治家に歯向かったということで騒動にはなりましたが、岸田首相は結局個人的見解ということでお咎めなしになったようです。

しかし時代が違っていたら。大変な事態になっていたかもしれません。

1927年3月14日、衆議院の予算委員会で当時の片岡大蔵大臣が、「東京渡辺銀行がとうとう破綻を致しました」と発言しました。この時まだ東京渡辺銀行は破綻していなかったのですが、この失言がパニックを引き起こし、預金を下ろそうと人々が各地の銀行に殺到し、全国の市中銀行が休業になりました。そして当時三井物産や三菱商事をはるかに凌ぐ勢いだった鈴木商店が倒産したりして、金融恐慌がおきたのです。

このパニックは、片面だけ印刷した200円札を大量に刷って、銀行に積み上げてようやく終息しました。

200円札

2021年は再び上昇傾向に

事務次官の話を聞いて、国が経済破綻したら、国の国債が紙くずになって、それを大量に買っている銀行も倒産するかもしれない。だから我先にと預けているお金を下ろしに銀行に走る…そんなことが起きたのかもしれないのです。

実際には政府や政治家の間でだけの大騒ぎに終わったのですが、 

今、国の財政ってどうなっているのでしょうか。財務省のHPを見てみましょう。

グラフ

 青い折れ線が税収(収入)、黒い折れ線が歳出(支出)です。

黒い折れ線がずっと青い線の上にありますから、一貫して国家財政は赤字だったことが分かりますね。

財務事務次官は「ワニの口」と呼んでいたのですが、その肌色で示されている赤字の部分がどんどん広がっているのが分かります。

この長年にわたる赤字は、当然たまりにたまって増えていきます。約10年前の2013年度末で1024兆9568億円と財務省は発表していて、この時点でも国民一人当たりほぼ1000万円借金している勘定になります。

個人で言えば、サラリーマンで毎月のお給料よりも出ていくお金の方が多くて、毎月銀行からお金を借りてしのいでいる状態が続いているのと同じです。これがずっと続くとどうなるでしょうか。

 

一国民に生じる影響とは

借入額が銀行の融資の枠を超えてしまうと、それ以上は貸してくれなくなります。
すると給料だけでは家計を支えることができなくなって、支払が出来なくなってしまいます。場合によっては、電気やガス、水を止められて、家などが差し押さえられてしまうかもしれません。

この解釈が正しいのかどうかは分からないのですが、
それぐらい今の我が国のお財布事情は大変なことになっているというわけですね。

それが私たち一人一人のレベルではどういう影響を与えつつあるのかについて、
次回以降考えていくことにしたいと思います。
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