培養肉環境問題SDGs

培養肉について考える【前編】

今話題の「培養肉」について考える

みなさん、新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。


それぞれに明るい希望を持って新年を迎えられていることと拝察致します。


ただ、家計や資産形成のことで考えてみると、最近は、防衛費増のための増税、子育て支援財源のための増税、新型コロナ対策、増え続ける医療費、それに加えてカーボンニュートラルのための莫大な支出と増税というように今後どれだけの税負担が起きるのかが分からないような情勢になってきました。

また、円安の進行によるエネルギーや物価の大幅な上昇も起きており、長年の金融の大規模緩和も終焉を迎えつつある中、長期金利の上昇も徐々に始まった感があります。

反対に国民の所得はこの30年間まったく上がることなくむしろ下がっており、年金や保険料を含めた税負担は様々な形で私たちの生活設計に深刻な影響を及ぼしつつあります。

そう考えると今年以降の経済や財政、家計については、かなり厳しい見方をせざるを得ません。

こうした中、現在起きつつあることを一つ一つ冷静に観察理解し、既存政治と経済・財政政策をしっかりと見直さなければならない状況となっています。

その観察の一つとして前回は、電気自動車のことを取り上げました。

地球の温暖化を避けることが全世界的な課題とされており、二酸化炭素の排出量を抑えることが政治・経済上の絶対的な目標とされています。

でも、表面的には二酸化炭素の出ない電気自動車もトータルサイクルとしてはガソリン車よりも排出量が少ないとは言えず、リサイクル率や廃棄物処理という点ではこれに劣るということを整理しました。



今回は、培養肉について考えてみたいと思います。


培養肉とは一体何?

 培養肉とは何でしょうか。

それは、細胞から培養したお肉のことです。牛などの動物から細胞を採取し、その細胞をアミノ酸などの栄養分が入った培養液に入れて大量に増殖させて作った食肉です。

2013年にオランダの大学教授が世界で初めて開発したと言われ、今では各国企業が商業化に向けてしのぎを削っています。



では、なぜ今培養肉が注目されているのでしょうか。


まず第1には、食糧の確保と言われています。世界の人口は2050年には97億人に達すると予想されており、肉の消費量も増えると考えられています。

次は環境負荷の低減です。家畜のエサの栽培には広大な農地や水を使うほか、たとえば牛のゲップには大量のメタンが含まれ、地球温暖化にもつながっていることから、この環境負荷を培養肉は軽減できるというのです。



そして第3に動物福祉への対応です。狭い環境で多くの家畜を飼うこと、動物の殺処分に対し、欧米では倫理的に疑問が出ています。その点、培養肉は家畜を処分しないため、倫理的にこれを支持する動きが強くなっています。

図1


上の写真は、アミノ酸、成長ホルモンなどを含んだピンク色の培養液で満たされた無菌プール。ブランド牛から採取された細胞が培養され肉塊となり電気刺激でピクピクと動いています。


すでにシンガポールでは、培養した鶏肉の販売が世界で初めて認可され、2010年12月、販売開始となりました。チキンナゲットなどにして提供されており、日本円でおよそ400円から2300円だそうです。

培養肉は広がっていく?

今後、培養肉は世界的に広がり、イギリスの大手金融機関バークレイズは「2040年までに食肉のうち、20%を培養肉が占める」という予測を示しています。

みなさんは、この培養肉、どう思いますか?食べてみたいですか?


長くなりましたので、次回もこの培養肉について考えてみたいと思います。


今回はここまでです。


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