奨学金制度の落とし穴…返せないとどうなる?
本州では何と関東・甲信が梅雨入り一番のりでした。ジメジメして肌寒かったりもしますが、晴れ間が広がると今年も猛暑かな~みたいな熱気がやってきます。体調管理に十分気を付けたいものです。もやもやとした梅雨空とは反対に、最近ドンドンまっすぐ進んでいるのは円安です。先日とうとう1ドル=135円を突破して、1998年以来の円安水準となりました。これからはどんどんあらゆる物の価格が上がっていく可能性が高まってきました。
物価は上がっても賃金はそうは増えないので、生活は苦しくなる方が増えると思われます。お子さんの教育費も結構家計には負担が多いですし、将来的には様々な計画が必要な費用となります。この教育費に計画的に準備していくにはどうすればよいか、何が利用できるのか、今回も教育資金、特に奨学金制度について考えてみます。
子の学費や関係する諸費用については、なるべく親として負担してあげたいと思うのが一般的かとは思いますが、状況によっては奨学金といった制度を利用することも必要になります。
様々な奨学金の中でも代表的なものとして、独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金があるのはご存じの方も多いと思います。ここで受けることができる奨学金ですが、進学してから進学先で受ける奨学金としては、以下のものがあります。
1 給付型奨学金(返還不要)
2 第1種奨学金
3 第2種奨学金
今回は1の給付型奨学金について述べていくことにします。
文字通り給付が行われるため、後に返還がない奨学金となります。貸与型奨学金
を合わせて受ける場合には貸与金額が制限されます。
〇 対象者
・高校卒業予定者または高校卒業後2年以内の人
・高卒認定試験合格者
但し以下の要件が必要です。
ア 16歳となる年度から認定試験合格が5年以内
イ 認定試験合格年度の翌年度の末日から2年以内
〇 支給基準
以下の3つの基準をすべてクリアしている必要があります。
ア 学力基準
・高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上
・進学しようとする大学等における学修意欲を有すること
イ 収入基準
・支給額算定基準が0~51300円未満であること
(支給額算定基準は、課税標準の約6%)
※一人の生計維持者、申込者と中学生の弟妹1人の場合、
年収が約270~380万円
ウ 資産基準
申込者と生計維持者(2人)の資産額合計が、2000万円未満
〇 支給額
先ほどの収入基準により、第1区分(住民税非課税世帯)、非課税世帯に準
ずる第2区分、第3区分に別れますが
第1区分の場合
大学・短大・専門学校で
自宅通学の場合 約3万~4万円
自宅外通学 約6.6万円~約7.6万円
ほどになります。
第2区分はその3分の2、第3区分はその3分の1と支給額は減っていきます。