自衛官は民間企業に比べて定年が早いので、第2の人生のスタートを切る時期も早い傾向にあります。しかし、中高年期に差しかかると疾病リスクが高くなり、死亡や後遺障害等に見舞われる確率が高くなります。
一家の大黒柱に万一のことがあると、残された家族が生活に困窮する恐れがありますので、遺族に資産を遺す生命保険は必須といえます。不動産投資は自衛官の老後資金づくりに役立つ資産運用方法として注目を集めていますが、実は生命保険代わりとしても活用できるのです。今回は不動産投資が自衛官の生命保険代わりになる理由について説明します。
生命保険といえば、保険会社が提供している死亡・後遺障害保険に加入するのが一般的で、一見すると不動産投資とはまったく関係ないように思われがちです。しかし、投資用不動産を購入する際に団体信用生命保険に加入していれば、万一のときの生命保険として活用することが可能になります。
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済中に被保険者が死亡または高度後遺障害を負った場合、保険金によってローン残債がゼロになる保険のことです。
団信というとマイホームの購入をイメージしがちですが、実は投資用不動産を購入するためにローンを組んだ場合も加入することができます。特に投資用不動産はマイホームより多額の費用が必要になるため、銀行側も団信に加入することをローンの条件としているケースが大半を占めています。
元は多額の資金を融資する金融機関の貸し倒れリスクに備えるための保険ですが、被保険者にとっても残された家族に負債が残る心配がなく、投資用不動産を丸ごと資産として遺せるところが大きな特徴です。
保険大国と呼ばれる日本ではほとんどの方が生命保険に加入しているため、「わざわざ不動産投資を生命保険代わりにする必要はないのでは?」と思われる方も多いでしょう。しかし、不動産投資は一般的な生命保険よりも資産価値が高い場合が多く、よりたくさんの財産を家族に遺すことができます。
たとえば、生命保険は被保険者に万一のことがあった場合、あらかじめ決められた保険金しか支払われません。一方、不動産投資なら、運用期間中であれば毎月アパートやマンション経営による家賃収入が入ってきます。
運用が順調であれば、将来にわたって際限なく安定した収入を得られるため、家族が生活に困る心配はありません。また、不動産投資が難しくなってきた場合は、所有している不動産を売却すればまとまった一時金が入ってきます。
ライフステージや状況に合わせて運用方法を変えられるのは、不動産投資ならではのメリットといえるでしょう。
生命保険には、一定期間のみ保障を受けられる掛け捨て型と、一生涯にわたって保障を受けられる終身型の2つがあります。
終身型は解約返戻金も受け取れるので保障内容は充実していますが、そのぶん保険料が高く、毎月の家計を圧迫しているケースが少なくありません。一方、掛け捨て型の場合、終身型に比べると保険料は安く抑えられますが、解約返戻金はなく、支払った保険料は一切戻ってきません。
どちらを選んでも家計の負担になることに変わりはありませんので、生命保険代わりになる不動産投資を始めるのなら、これまで加入していた生命保険の内容を見直したほうがよいでしょう。
ただ、不動産投資があるから一般的な生命保険は不要かというと、一概にそうともいい切れません。なぜなら、不動産投資が生命保険代わりになるのはあくまで経営が順調である場合の話で、経営不振に陥ると逆に負の遺産になってしまう恐れがあるからです。不動産投資は一般的な生命保険より資産価値は高いですが、経営難に陥ることも考慮し、最低限の生命保険には加入しておいたほうが良いでしょう。