自衛官はれっきとした公務員であり、幹部クラスになると、社会的地位・収入の面で文字通り高級官僚であるといえます。そんなステータスの高い自衛隊の幹部の人たちの間で、近年注目を集めているのが不動産投資です。
自衛官の仕事は安定していますが、一気に給与が増えるわけではありません。そのため、不動産投資を行うことで、収入面をより充実させようと考える幹部の方が増えているのです。
そこで今回は、自衛隊の幹部が不動産投資を行えるだけの収入が十分にあること、さらに自衛隊の幹部だからこそ不動産投資が向いている理由について、詳しく解説します。
もともと民間企業に勤める同年代に比べると、自衛官の年収は高めといえます。以下では、実際の年代別の自衛官の年収額を紹介したうえで、幹部クラスになるとどのくらいになるのか、具体的な額を紹介いたします。
◇自衛官の平均年収は民間企業よりも約50万円~170万円高額
自衛官帯広地方協力本部が作成した「自衛官のお給料などについて」によると、自衛官の平均年収は20代前半で約300万円、20代後半で400万円に達します。
同世代の全国平均年収は20代前半で約253万円、20代後半で約352万円ですから、自衛官は約50万円高いということになります。
この差は、年代を重ねていくにつれて拡大していきます。40代前半になると、民間企業の平均年収が約461万円なのに対して、自衛官の平均年収は約570万円となり、何と100万円以上の差がつくのです。そして50代以降の年代では、自衛官の平均年収は770万円に上り、民間企業の平均年収より約170万円もアップしています。[1]
[1]自衛隊 帯広地方協力本部「自衛官のお給料について」
https://www.mod.go.jp/pco/obihiro/recruit_works_pay.html
◇自衛官の幹部は陸将になると年収2,000万円超えも
幹部クラスに限ってみると、さらに年収は格段に上昇します。
2010年度概算要求資料によると、幹部ではない3佐の中隊長クラスであれば40代で平均年収は約785万円です。ところが、同じ40代でも幹部クラスである1佐の幕僚監部課長になると、平均年収は何と約1,280万円にまでアップします。なんと、500万円近くも高くなるのです。
その後さらに階級を上げて陸将となり、方面総監や統合幕僚長になると、平均年収は2,000万円を突破します。自衛官の幹部クラスになれば、不動産投資による資産形成を十分に視野に入れることができるでしょう。[2]
[2]防衛省・自衛隊「自衛官モデル給与例」
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/seisakukaigi/pdf/01/shiryo4_1_2.pdf
収入の高さに加えて、自衛官に不動産投資が向いている理由には、次の2つが挙げられます。
◇自衛隊の幹部は公務員なので社会的信用が高く融資を受けやすい
不動産を購入するために金融機関などから融資を受ける際、自衛隊という職業は信用力という点で圧倒的に有利です。民間企業のように倒産のリスクがなく、しかも幹部クラスになると危険な任務・訓練に直接身をさらすこともほぼありません。安定して高収入が見込める職であるため、金融機関も信頼しやすいのです。
民間企業のサラリーマン、特に中小企業に勤めている場合、不動産投資を望んでも、融資面の問題で借りられないケースが少なくありません。仮に融資を受けた場合でも、条件面が厳しくなることも多いです。しかし自衛隊の幹部にはそのようなマイナス材料は少ないので、不動産投資のスタート地点において有利に立てる職業といえます。
◇不動産投資は自衛官の幹部が取り組める数少ない「副業」
自衛官は「特別職国家公務員」という公務員であるため、法律上副業は禁止です。しかし、一定の条件を満たしている場合に限り、例外的に副業が認められています。その内容は以下のとおりです。
このうち4の貯蓄や資産運用による収入については投資も基本的に問題ありません。不動産投資による収入も得られます。
1~3までの副業だと、得られる収入はあまり期待できず、家の都合でやらざるを得ない仕事ともいえるでしょう。
しかし不動産投資も含まれる4については、自衛隊の幹部であっても、運用次第では将来的にある程度の収入が見込めます。
◇公務員が不動産投資は家賃収入や運用できる部屋数に制限がある
公務員が不動産投資を堂々と行うには、不動産の管理を不動産会社に任せること、年間の家賃収入は500万円未満になること、といった条件をクリアしなければいけません。
また、ワンルームマンションを購入する場合は9室までで、10室以上だと別途許可が必要になるので難しくなってきます。