円安政治経済

円高・円安とは何か

円安と円高とはどういう状態なのか

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いよいよGWも目前になってきました。皆様どのような楽しいご計画をお持ちでしょうか。本当に心和むうららかな春から初夏にかけての季節ですが、一方でロシアによるウクライナ侵略戦争は続いており、その影響なのか私たちの周りでも目に見えない形で影響が出てきている気がします。

先日、円が約20年ぶりの126円台に達しました。その後もどんどん円安は進むような気配です。これは私たちの経済にどういう影響を与えるのか少し考えていきたいと思います。

円高・円安とは

円高とか円安という言葉はよく耳にしますが、これはそもそもどういう意味なのでしょうか。
円高・円安というと時折「円高ドル安」、「円安ユーロ高」というように、他の通貨(お金)の言葉がくっついたりします。
つまり、円高・円安とは、世界に多数ある他の通貨(お金)と比べた時に、円の価値が高くなっているのか、安くなっているのかを表しているのです。

 円高 ⇒ 他の通貨(ドル、ユーロ等)と比較して円の価値が高くなっている

円安 ⇒ 他の通貨と比較して円の価値が安くなっている

日本銀行のHPを見てみると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態を「円高」、相対的に少ない状態を「円安」と説明しています。

円高・円安というのはあくまで他の通貨との関係を意味しているので、日本の中でお金を使う分にはなかなか分からないのですが、海外旅行に行って円を現地通貨に変えたり、あるいは輸出や輸入をする場合に大きな意味を持ってきます。

具体例

分かりやすく1ドル=100円だったものが、1ドル=50円になったとします。

そうすると今まで100円出すと1ドルに交換できていたのが、100円で2ドルに交換できるようになります この時円1単位(この時は100円)で交換できるドルの単位数が1ドルから2ドルになったわけですから、円の価値が上がって「円高」になったということができます。

反対に1ドル=200円になったとしましょう。この時は100円を出しても0.5ドルしか交換できません。ですから同じ100円でも、交換できるドルの単位数が半分に減ってしまっているので「円安」というのです。

円高と円安の影響

それでは円高と円安の影響について考えていきます。

1ドル=100円の時に 

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M社は米国で10ドル(仕入れ価格1000円)のハンバーガーを日本に輸入しているとします。

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一方T社は、車を米国に輸出して、1台1000ドル(日本円で10万円)で販売しています

 
〇円高の場合
1ドル=50円になったとしましょう。

M社は10ドル(500円)を支払って、ハンバーガー1個を仕入れる(輸入)ことができます。ですから、これまでは仕入れ価格の1000円以上でハンバーガーを売らなければ利益が出なかったのですが、800円で売ってもまだ利益が出るようになります。ですから、ハンバーガーも安くなって売り上げも伸びることになります。

また、海外旅行で言えば、これまで米国でハンバーガー1個(10ドル)を買うのに1000円したのが、500円で買えるということになります。
つまり、円高は輸入商品の価格を下げる効果があります。

一方、T社は車が1台売れるとそれまで10万円手元に入っていたのが、5万円だけになってしまいました。つまり、1ドル=100円の時と同じ利益を確保使用とすれば、車の価格を2倍にするか、車の販売台数を2倍にしないと同じ利益を出すことができません。

すなわち、円高は輸出する上ではデメリットが大きいといえます。

〇円安の場合
今度は1ドル=200円になったとします。

するとM社は、ハンバーガーを仕入れるのに10ドル、つまり2000円が必要です。ですから、日本の中で売る場合の価格も2000円以上となってしまいます。また、海外旅行で言えば、米国でハンバーガーを食べようとすれば、2000円罹ってしまいます。

輸出ではどうでしょうか。T社の車が1台1000ドルで売れると、20万円が入ってきます。ですから大幅な利益UPが望めます。

輸出にはメリット、輸入にはデメリット

すなわち円安になると、輸出にはメリットが大きく、輸入には輸入商品の物価上昇というデメリットが生じることになります。
長くなってしまいましたが、お分かりいただけましたでしょうか。
今、円は円安の方向へと大きく動き出しています。このことが私たちの生活にどういう影響があるのかについては、次回考えていくことにしたいと思います。

今回は以上となります。

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