不動産資産形成

資産形成における地震保険の重要性を考える

地震大国日本

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3月も中旬を過ぎ、桜が咲くのが待ち遠しい時節になりました。その一方で、今もロシアのウクライナ侵攻は続いていますし、3月16日の夜には東日本大震災の再来か!?と思うようなM7.3、最大震度6強という強い地震が福島県沖で発生しました。こちらは昔の大震災のような大被害は幸いなかったものの、それでも東北新幹線
が脱線して運休したり、様々な被害が生じました。被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

資産形成を図るためにマンション等の不動産を購入しようと考えている方々にとっては、この地震というのはどうしても一つの不安材料として考えざるを得ないものと言えます。そこで今回は改めて、この地震保険の仕組みをなるべく簡単にわかりやすく考えていきたいと思います。

地震保険がカバーする状況

地震保険は、建物や家財が次のような損害を受けた時に保険金が支払われる保険です。

  • ・地震による火災による焼失
  • ・地震による倒壊
  • ・噴火による損壊
  • ・津波による損壊
  • ・地震による家屋の埋没

注意点は、

  1. 1.必ず火災保険とセットで契約しなければなりません。ただし、火災保険の契約期間の途中からでも加入できます。
  2. 2.火災保険では、地震による火災は補償されない。

の2点です。

地震保険の内容

  1. 補償対象

居住用の建物と生活用の動産(家財)が対象となります。

  1. 契約金額

地震保険の契約額は、火災保険の契約額の30%~50%の範囲内で決められます。そして建物は5000万円、家財は1000万円が限度額となっています。

保険料について

実は、保険料は建物の構造や所在地により変わります。地域では格差が3倍以上に広がっており、東京、神奈川、千葉、静岡、愛知、三重、和歌山といったところが最も高いようです。

また、建物の持つ免震・耐震性能によって割引率が決められています。そのほか建築年割引などもあります。

契約額はあくまで火災保険の30~50%ですが、仮に限度額いっぱいに地震保険に入ると東京で鉄筋の新しいマンションの場合、割引率にもよりますがだいたい10万円内外のようです。

2011年の東日本大震災以降、この地震保険の保険料率やその他補償内容は見直されてきました。これは地震保険となると民間の保険会社だけでは引き受けることが難しく、国と保険会社双方が出資して成り立っている保険だからです。ちなみに今回の改正では、1回の地震等による総支払額の限度は12兆円となっています。

保険金のお支払について

国も関与しての制度となっている地震保険ですが、さらにひとつ理解しておかなければならないのは支払われる保険金です。2017年1月以降に保険に入られた方であれば、居住用建物、家財に生じた損害の程度に応じて、次のように「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」にランクが分けられ、保険金が支払われます。

  •  全損(主要構造部の損害額が時価50%以上等)・・・・契約額の100%
  •  大半損(同上40%以上50%未満)      ・・・     60%
  •  小半損(同上20%以上40%未満)      ・・・     30%
  •  一部損(同上3%以上20%未満)       ・・・      5%   

※但し、時価を限度

損害の状況が一部損に満たない場合や、エレベーターや給排水設備等主要構造部以外のみの場合は保険金は支払われません。

地震保険は必要?

以上が地震保険になります。

大地震が起きて本当に壊れた時と1年ごとに高い保険料を払い続けるのと悩むところではないでしょうか。ちなみに統計によれば、2020年度地震保険の加入率が最も高いのは、宮城県で51.9%、東京で37.7%となっていました。なかなか難しいところですね。ご参考になれば幸いです。

 
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