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30代の自衛官に「生涯生活設計」をつくることをおすすめします。
その年代ですと、年収は500万円を超えていると思います。500万円は生涯生活設計をつくり始めるのに適した年収額といえます。
ではなぜ、そもそも自衛官に生涯生活設計が必要なのでしょうか。それは、多くの自衛官が55歳で定年を迎えるからです。一般企業の会社員より、中高年での経済状況が不安定になりやすいからです。
「30代は早すぎる」ことはありません。たとえば不動産投資は、10年単位で考えていかなければなりません。
生涯生活設計とは、自分の今後の人生を想像し、その人生を送るために必要なお金のプランを立てることです。
生涯生活設計ではお金を「収入と支出」の両面から考えます。たとえば、結婚式は200万円くらいかけてしっかり行いたい、と考えたとします。この場合、支出は200万円となります。結婚式を開けば祝儀をもらえるので、100万円くらい収入が発生するでしょう。
生涯生活設計において結婚式は「収入100万円、支出200万円の赤字100万円のイベント」と考えることになります。
たとえば、年収500万円の人が、毎年50万円預貯金していたとします。すると結婚式を挙げるには「100万円の追加予算」が必要なので、丸々2年間、預貯金ができないことになります。これは資産形成にダメージを与えます。そのダメージがどの程度の大きさになるのかも、生涯生活設計を行えば「見えて」きます。
生涯生活設計ではこのように、結婚式だけでなく、子供の養育費、家の購入、自動車の購入、大病などの出費がかさむライフイベントについて、一つひとつ収入と支出を考えていきます。
ではなぜ、20代の自衛官でも、40代の自衛官でもなく、30代の自衛官に生涯生活設計をおすすめするのでしょうか。
20代でも生涯生活設計を始めたほうがよいでしょう。また、まだ一度も生涯生活設計をしたことがない人は、40代でも50代でも遅くないので、取り組んでみましょう。
ただ、20代だとまた将来の不確定要素が多く、40代だと将来がほぼ見えてきてしまいます。そのため、生涯生活設計に取り組むのに遅すぎず早すぎない年齢が30代といえます。
さらに年収500万円という額は、生涯生活設計の選択肢が増えるので、よりリアルにシミュレートできるようになります。
30代の自衛官が生涯生活設計をするときに考慮してほしいのが「資産形成の方法」です。預貯金だけで資産形成するのは、現代ではもう得策とはいえません。
メガバンク(超大手銀行)でさえ、普通預金の金利は0.001%です。500万円預金しても、1年で50円しか増えません。ATMを有料で1回使っただけで、「赤字」になってしまいます。
そこで預貯金以外の方法で資産形成を考えたほうがよいでしょう。
資産形成の方法はいくつかありますが、ここでは不動産投資について考えてみます。
不動産投資とは、アパートやマンションなどの不動産を購入し、それを人に貸して家賃収入を得たり、購入した不動産が値上がりしたらそれを売って売却益を得たりする投資手法です。
30代の自衛官に不動産投資を検討していただきたいのは、これが「長期的な視野」が必要になる投資だからです。
投資には株式投資もあります。
株式投資は、たとえば1日で10%も儲かることがあります。100万円分の株を持っていたら、その株が1日で110万円になることもあります。その代わり、損失も同じくらい激しく発生し、株の価値が1日で半額になることもあります。
そのため株式投資は、毎日、毎時間、株価をチェックし続けられる仕事に就いている人に向いています。一般企業に勤めていると、トイレにいった隙に1分間くらいスマホで株価をチェックすることは簡単にできますが、自衛官にはできません。
不動産投資は、すぐには利益が出ません。むしろ数年は「赤字」になります。
たとえば、1,000万円の中古のワンルームマンションを1部屋購入して、それを月8万円で貸したとします。1,000万円の投資に対して、1年間の収入は96万円にしかなりません。「お金の流れだけ」を見ると、この時点で904万円の赤字です。
しかし、15年間経過すると、家賃収入の総額は1,440万円(=年96万円×15年)になります。そして、そのタイミングでそのマンションを200万円で売却できれば、収入の増額は1,640万円(=1,440万円+200万円)になります。投資額が1,000万円なので、都合「15年間で640万円の利益をあげた」ことになります。
30歳で始めれば、45歳(=30歳+15年)で、防衛省から支給される給与以外に、640万円の利益を得ることができます。
もちろん、上記のシミュレーションは「うまくいく」ことを想定しています。不動産投資には、借主が見つからなかったり、売却額が購入額を下回ったりといったリスクがあるので注意してください。
わざわざ中古物件を探して、それを購入して、人に貸し出すのが「面倒」に感じたら、自宅の買い換えのタイミングで不動産投資を実施することもできます。
これまで住んでいた家を売るのではなく、人に貸すわけです。そうすれば、従来の家から得られる家賃収入を、新しい家の住宅ローンの返済に回せるようになります。